本研究課題を通じて、電流駆動されたスキルミオンが、狭帯域雑音と呼ばれる特徴的なノイズスペクトルを発生することを、世界で初めて実証することに成功した。狭帯域雑音は、系が動的に結晶相を形成し、非平衡相転移したことを強く示唆しており、これによって、スキルミオン系と、電荷密度波のスライディングや第2種超伝導体におけるボルテックスフローといった分野との密接な関連が、明確に示されたと言える。当初の目的とは異なるが、本研究課題により、近年注目を集めているスキルミオンダイナミクスに関する理解を進展させることができた。デバイスへの応用という観点からも、大きな波及効果を及ぼす結果であると考えている。
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