本研究では、神経幹細胞の培養系において、3次元ゲル培養条件下から染み出る細胞集団の運動がキラリティを持ち、それがミリメートルスケールの時計回りの構造を作ることを見つけた。このキラリティある構造は再現性が高く、いつも同じ回転方向を生じるものであったが、細胞骨格系の阻害剤を用いた実験により、この構造のキラリティにはアクトミオシン系が特に重要であることがわかり、特にそのキラリティの強弱をコントロールする方法も発見した。さらに、キラリティの細胞的起源を探るため、低密度培養条件の実験系・解析系を確立し、一細胞の運動のキラリティと相互作用レベルで生じるキラリティのバランスを定量することも可能となった。
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