惑星は原始惑星系円盤の中で誕生し、木星のような巨大ガス惑星が生まれる際には、惑星の周りに回転しながら円盤状に集積するガスによって周惑星円盤が形成される。周惑星円盤は衛星形成の場であると考えられており、周惑星円盤の構造はその中で形成される衛星を特徴付ける重要な要素である。 本研究では、その進化の最終段階である散逸中の周惑星円盤をモデル化し、その中で形成された衛星の軌道進化を調べた。形成当初の木星および土星の内部構造を計算し、それぞれが持つ磁場の強さによって、円盤の進化が異なることを明らかにした。そして、長年の謎であった、木星と土星の衛星系の構造の違いを説明するシナリオを構築することに成功した。
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