大気中に含まれる気体のラドンが、大地で発生する地震のシグナルをとらえている可能性がある。本研究では、大地から大気へのラドンの輸送を明らかにするため、大気と土壌のラドン濃度および地表面のラドン・フラックス(ラドン放出量)の同時測定をおこなった。その結果、ラドン・フラックスの変化は、夜間における大気中ラドン濃度の変化量として表れることが分かった。また、ラドン・フラックスが高い時期と土壌ラドン濃度が低い時期が概ね一致し、土壌ラドン濃度がラドン・フラックスに対して土壌間隙水の変化を通じて受動的に変動することを示唆した。
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