事故発生時の電流遮断や系統の復旧には高性能な遮断器が必要不可欠である。従来では SF6ガスを用いて開極時のアークを消弧するガス遮断器が一般的であったが、SF6ガスの温暖化係数が非常に大きいことから真空遮断器の小型化、高性能化が注目されるようになった。しかし、真空遮断器の遮断試験において、アーク消弧後に短時間で絶縁を回復する絶縁破壊(NSDD:Non-Sustained Disruptive Discharge)の発生が報告されている。本研究の成果はNSDDの発生に与える電界電子放出電流の影響を定量的に評価したもので、高性能な真空遮断器の開発に不可欠な重要な知見を与えるものである。
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