大電力の長距離マイクロ波送電システムを社会実装するためには、周囲への電波漏洩をいかに抑えるかという課題がある。本事業により、筆者らが提案した両側レトロディレクティブシステムの有効性を示すことができた。この技術は、沖合において風力や太陽光で発電されたエネルギーをマイクロ波により無線で沿岸まで伝送するために必要不可欠な技術という点で、二酸化炭素を排出しない持続可能なエネルギー利用の拡大に資するという社会的意義がある。また、提案システムの解析によりビーム内に侵入した物体を回避するという興味深い物理現象を明らかにすることが出来たという点において、特に学術的意義のある成果が得られたといえる。
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