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2018 年度 実施状況報告書

大規模ネットワークシステムに対するレトロフィット制御理論の構築

研究課題

研究課題/領域番号 18K13774
研究機関東京工業大学

研究代表者

石崎 孝幸  東京工業大学, 工学院, 助教 (10650335)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードレトロフィット制御 / 制御系設計局所化 / 進化的なシステム / 分散制御
研究実績の概要

本研究では,社会インフラシステムなどに代表される,段階的に増改築されていくネットワークシステムに対して,その持続的発展を可能にするシステム制御理論の構築を行う.より具体的には,申請者がこれまでに開発してきた,コントローラレトロフィット手法(コントローラの分散的な増改築手法)に関する理論を基盤として,分散制御系を構成するコントローラやサブシステムを局所的に改変・拡張することによって,安定性や可制御性など,大局的なシステム特性や制御性能を段階的に改善するためのレトロフィット制御理論を構築することを目指している.
本年度では,電力システムなどに代表される大規模システムが将来的に進化的な発展をしていくことを前提にして,レトロフィット制御理論をもとに設計された局所コントローラの制御性能が,システムの将来な変動に対してどの程度ロバストに保持されるのかについて,定量的な指標を導入しその数値的な解析を行った.この解析により,制御の対象とするサブシステム以外のサブシステム群の変化に対して,どの程度局所制御器の設計を分離して考えられるか,すなわち,制御器設計の局所化に対する定量的な評価を与えている.この局所化可能性指標は注目しているサブシステムのモデル情報のみから評価可能であるという特長ももつ.この解析に加えて,レトロフィット制御理論を活用し,太陽光発電が導入された電力システムに対して系統安定度を向上する新たなプラグイン型制御技術の開発を行っている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画していた制御系のレトロフィット問題の定式化やその解析がおおよそ完了している.また,本年度の成果である制御器設計の局所化に対する定量解析は,レトロフィットの繰り返しによるシステム特性の変動解析を行うための基礎となっている.したがって,当初の計画に沿っておおむね順調に研究が進展しているといえる.

今後の研究の推進方策

来年度以降では,当初の計画通りに,レトロフィットの繰り返しによるシステム特性の変化の解析と最適なレトロフィットスキームの開発を目指す.特に,平成30年度におけるシステム特性の変動解析の基礎である制御器設計の局所化に対する定量解析を設計論に展開することによって,所望の分散制御系を実現するためのレトロフィットスキームを開発する.同時に,一連の成果をレトロフィット制御に関する基礎理論として順次整理していく.

次年度使用額が生じた理由

当初購入予定であったネットワーク理論や最適化などの関連図書について,研究室として所持している文献で現状までの研究を行うことができたため.次年度以降では,より深く先端的な理論を用いる必要が生じる可能性が高く,最先端の文献購入費用に充てる予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 制御器設計の局所化可能性に対する定量解析2019

    • 著者名/発表者名
      浦田 賢吾, 石崎 孝幸, 井村 順一
    • 雑誌名

      計測自動制御学会論文集

      巻: 55(3) ページ: 148-155

    • DOI

      https://doi.org/10.9746/sicetr.55.148

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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