既存の関連研究では,システム特性や制御性能の改善に向けてシステム自体の段階的な変化を議論することは一般にされていなかった.一方で,本研究におけるレトロフィット制御理論では,制御系の局所的な増改築により,与えられた分散制御系を所望の分散制御系へ改変・拡張していくことを考えている.このような制御系レトロフィットの発想は独自のものである.また,本研究は,これまでのシステム制御理論では扱うことが難しかったオープンシステム(不特定多数の主体により逐次的に改変され得るシステム)の制御に関する基礎理論となり得る.
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