本研究では多相系地盤の浸透特性を解明することを目的に、デスクトップ3Dプリンターを活用し、多孔質体の複製とその透水性評価を試みた。低炭素資源として期待されるメタンハイドレート(MH)は砂地盤の間隙に氷状の固体として存在している。しかし、その存在形態や含有量の違いで浸透率が大きく異なる。そこで、MH堆積土を対象とし、MH・土粒子の固体部分をプリントし、透水試験を実施することでMHの含有量変化等の影響を評価した。その結果、異なるMH飽和率(含有量)の模擬堆積物モデルを用いた透水試験では、MHの存在に伴う透水性低下の程度が実験と数値解析とで良い相関関係を得られることが明らかとなった。
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