下水道越流水が流入する都市河川では,降雨後に大量の浮遊汚泥(スカム)が河面を埋め尽くす.スカムは水域生態系や生活環境に悪影響を及ぼすことから,早急な解決が強く望まれている.本研究では,大阪府寝屋川水系~大阪市内河川を対象として,感潮河川網で発生するスカムの動態を明らかにし,具体的な解決策を提案することを目標とした. 定点カメラを用いた河面観測ネットワークを構築し,カメラ画像からスカムを連続・定量的に判別できるAIを用いた解析により,スカムの挙動特性と浮遊・発生箇所を明らかにした.また,粒子追跡モデルをベースとしたスカム動態予測モデルを開発し,スカムが発生・集積しやすい地点を推定した.
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