本研究では熱気流中における水滴の飛散および蒸発の挙動を、水滴の熱の釣り合いと力の釣り合いを考慮した推定モデルを構築すると共に、当該モデルの妥当性検証を目的とした実験を実施した。加熱強度をパラメータとした水の加熱実験の結果、水の単位時間単位面積当たりの蒸発量が水に加えられる正味の熱流束を水の単位重量当たりの潜熱で除すことで算出可能であることを確認した。また、火炎が有る場合と無い場合の散水密度分布確認実験の結果と本モデルの計算値の比較より、水滴径の小さい条件ほど火炎が有る場合の散水量と火炎が無い場合の散水量の比が小さくなるという傾向を本モデルで再現可能であることを確認した。
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