本研究では、被害を受ける範囲がある程度予想できる津波や洪水などの自然災害を対象として、人々の主観的なリスク認知状況を調査して空間的な分布として可視化し、既存の想定等から算出される客観的なリスクと比較評価することによって、両者の乖離が生じやすい場所を抽出し、その空間特性を明らかにすることを目的としている。複数の地域で調査を行なった結果、津波に対するリスク認知や避難行動に標高や海からの距離が影響すること、台風襲来時の避難に標高や住居の階数が影響すること、暗渠周辺の水害リスク認知に暗渠の整備形態が影響すること、居住地選択時の災害リスクの重視度が浸水想定区域内外で異なることなどが明らかになった。
|