宇宙用電気推進のホールスラスタは,衛星の主推進系を担うようになってきているが,その主なエネルギー損失や損耗の要因と考えられる,電子乱流の発生要因については,未だ結論が出ておらず,更なる高性能化・高密度化の妨げとなっている.本研究では,不安定性制御の可能性を探るため,前例がないC60を導入したホールスラスタ放電を行った.結果として,C60導入により,放電モードが明確に変化し,また条件次第で放電が大きく不安定化することがわかった.PIC解析により,負イオン比率が一定量以上になると,急速に放電が不安定化することがわかった.このため,C60の活用には負イオン比率の制御が重要であることがわかった.
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