本研究では、船舶衝突にかかる実験結果の蓄積のため、両船ともに自由航走状態とした場合の衝突模型実験の手法及び実験結果について報告するとともに、衝突時に被衝突船側に刻まれる傷の形状・角度等について解析・考察を行った。結果として、衝突船が被衝突船の斜め前方又は正横から横切る場合の衝突において、被衝突船には、両船の針路交差角に相当する角度の方向からではなく、被衝突船側における相対角に相当する角度の方向から傷が刻まれるということを確認した。詳細については引き続きの検討が必要となるが、本結果は、現状の調査官等による衝突状況の推定結果に関する妥当性を裏付け、また、補強するための一助となったものと考える。
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