本研究の対象地域は、南アジア東部(インド亜大陸)と東南アジア大陸部(インドシナ半島)である。世界人口の1/4強が暮らしており、災害の引き金となる自然現象に対する人や資産の曝露度が高く、脆弱性も高い。この地域で注目すべき自然現象のひとつが、熱帯低気圧擾乱である。毎年のように襲来する熱帯低気圧がもたらす暴風雨や洪水、地すべり、高潮によって被災する危険性が高く、それを軽減することが喫緊の課題である。各国のレーダーを結集して広域観測網を構築し、熱帯低気圧に一致団結して立ち向かう体制を整えることにより、広域にわたる大雨や暴風を監視する能力が備わる。
|