研究課題
若手研究
本研究ではクラスターサイズ(構成原子数)が数千のサイズ領域においてイオン移動度質量分析法を用いて炭素ナノオニオンを含む炭素原子のみで構成される炭素クラスターイオンの構造異性体を探索することを目標としていた。クラスター生成部及び観測部の改良を行った結果、以前までの研究では800程度であったクラスターサイズの観測範囲の上限を1500程度まで広げることができた。しかしながら、期待していた新しい系列の観測には至らなかった。
物理化学
本研究にて達成したい項目とはクラスターサイエンスとナノサイエンスという近いようで遠い2つの分野の懸け橋となることである。自身の研究分野にとどまらず複数の研究分野に亘って得られた知見を還元することは、研究内容がそれらの境界領域的な触れ方をしていることから重要であると考えられる。特に本研究では様々な構造異性体が知られる炭素クラスター・炭素ナノ材料の成長過程における基礎的な知見を提供できるよう心掛けたい。