本課題ではシアノバクテリアの体内時計の中枢を構成する時計タンパク質KaiABC振動子の動作原理に関し理論研究を行った。特に、KaiB-KaiC複合体形成に焦点を絞り、その詳細な進行過程を理論的に提案した。本研究のでは既報の実験データを詳細に検討することで、見過ごされた重要な事実を理論的/数値的に立証した。例えば2020年にはKaiB-KaiC複合体形成速度の遅さの起源に関し、従来の説とは異なりKaiC側に遅さの起源が存在することを示した。また最終年度には、KaiB-KaiC複合体形成とKaiCのATP加水分解の協同関係の詳細を理論的見地から新たに提案した。
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