研究課題
若手研究
本研究課題では、①ホウ素触媒と可視光照射を組み合わせたカルボン酸α位アリル化反応の発見、②ホウ素触媒を用いたカルボン酸α位アミノ化反応の開発、の2点を達成することができた。①ではホウ素触媒を用いた新たな反応性を開拓できたため、さらに多様な反応系へと適用拡大する素地が整った。また、②では他の手法では合成困難な立体障害の大きなαアミノ酸を合成する手法を確立し、非天然型アミノ酸を用いたさまざまな分野に応用する基盤を築くことができた。
有機合成化学
カルボン酸のα位アリル化反応の開発においては、ホウ素触媒と光照射を組み合わせることで、これまでにない反応性を見出すことができたという点で学術的意義が大きい。一方、カルボン酸α位アミノ化反応の開発は、非天然αアミノ酸の簡便な供給方法として利用可能である。非天然アミノ酸は医薬化合物をはじめとして利用価値が高いため、入手容易なカルボン酸から付加価値の高いアミノ酸を合成できるという点で社会的意義があると言える。