研究課題
若手研究
本研究では、ピレン環を有する芳香族アルデヒドに対し、嵩高いルイスペア(FLP)を用いた水素化反応を行うことで、貴金属を用いずに水素ガスを蛍光法により検出することに成功した。特に、ホルミル基のオルト位にジメチル基を有する誘導体では、水素ガスにより赤色から青色へと蛍光色が劇的に変化した。また、新規に合成した複素環式アルデヒドの結晶が、機械的刺激と加熱に段階的に応答する三色間の発光色変化を示すことを見出した。
有機合成化学、光化学、超分子化学
本研究で実証した水素ガスの検出法は、従来の水素ガスセンサとは異なり、貴金属を用いずに水素ガスを検出可能な光化学的手法であることから、安全性と検出感度の高い次世代の水素ガスセンサの開発に繋がることが期待される。また、機械的刺激と熱に段階的に応答する発光性有機結晶の関する成果は、発光スイッチング材料に関する学術的に新たな知見を与えるとともに、高感度な圧力センサやセキュリティ技術などへの応用にも繋がる。