本研究では、前立腺がんのバイオマーカー糖タンパク質である前立腺特異抗原をモデルとして、生体由来の抗体では困難な、糖鎖を認識して蛍光変化で検出可能な人工糖鎖抗体を分子インプリンティング技術とポストインプリンティング修飾法を用いて創製する。糖鎖をもつγ-グロブリンおよび糖鎖を持たないヒト血清アルブミンを用いた対照結合実験では、MIP薄膜はPSAを有意に識別可能であった。さらに、蛍光顕微鏡測定では分子インプリント空間内にのみ蛍光分子を導入することによって、SPR測定結果と比較してより高感度でPSAを検出可能であることが示唆された。
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