電位依存性カルシウム(Ca2+)チャネルとシナプス小胞間の距離は神経伝達物質放出を制御する主要因子であると考えられている。しかしその重要性にも関わらず、従来の電子顕微鏡技術では両者を同時に観察できないため、実際のCa2+チャネル-シナプス小胞間距離やその空間分布は不明であった。そこで本研究では脳組織中のCa2+チャネルを化学修飾し、ナノメートル分解能で可視化可能な新手法を開発する。本手法によってCa2+チャネル-シナプス小胞間の距離が決定できれば、記憶・学習に関わる神経伝達機構の分子論的理解がより深まり、神経疾患の病態解明や治療法開発に貢献すると期待できる。
|