学術的意義として、栄養屈性はこれまで誰も実験的に示した例のない新規屈性である。最も研究が進んでいる屈性はすべて、植物が生存に必須な資源のうち、水と光、を効率よく獲得するために有用な機能であると理解されている。栄養屈性の存在は、植物が少なくともアンモニウムの濃度勾配を感知でき、よりその栄養濃度が高い方向へと根の伸長方向を変えて生育することで効率的に必須な資源である栄養を吸収しようとしていることを示した。 栄養屈性をコントロールできれば、農業において作物に効率的に肥料成分を吸収させることで施肥効率を向上させることが将来的に可能になるかもしれない。
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