本研究で解析したAPBV1ウイルスの殻タンパク質は、長細い桿菌型に自己会合する珍しいタンパク質であることが明らかとなった。タンパク質工学的観点からの利用も見込まれるため、福井大学との共同でこの成果で得られた技術的知見について特許出願を行った。4種ある構造タンパク質の粒子内局在も徐々に明らかになりつつあることから、今後は遺伝子組換法を用いた配列改変なども行うことで、将来的にはコンタミと無縁なワクチンを生産するための新たなウイルスベクターとなることも期待される。 また、古細菌ウイルスの多様性を理解することで、数十億年に亘るウイルスの起源や進化の解明にも繋がることが期待される。
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