植物は、RNAウイルスに対して複数の免疫システムを備えている。これらの免疫システムは、相互に影響し合うことが示唆されつつあるが、その仕組みは明らかになっていない。本研究では、抗ウイルス免疫の一つ「劣性免疫」を決定する植物側因子「劣性免疫因子」の機能を調べ、免疫システム間の相互作用を理解することを目指した。その結果、劣性免疫因子は、複数の植物側因子と結合し、その機能からNMD免疫との関連性が示唆された。さらに、劣性免疫植物ではホルモン性免疫が上昇したが、ウイルス増殖阻害には関与しなかった。以上から、ウイルスに対する劣性免疫は、ウイルス以外の他の病原体に対する免疫に影響する可能性が示唆された。
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