果樹の交雑育種において、近親交配は生産性を低下させる大きな要因の一つである。果樹は、果実が実るまで長い年数を必要とすること等から、少ない世代で優良品種を生み出すため、少数の優良品種を交雑親として用いる傾向があり、近親交配に陥りやすい状況にある。近親交配を避けて、高生産性個体を効率的に育種する手法の開発は、果樹では大きな課題であるが、研究が十分進んでいるとは言い難い。本研究により、ゲノム情報を元にして、遠縁にあたる両親の組合せを選ぶことで、集団全体としての生産性向上につながり、高生産性個体を育成する有効な手段になりうると分かった。
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