本研究は、福島の森林において、樹木の放射性セシウム(137Cs)汚染のメカニズム解明や将来予測を行うために、土壌中の137Csの存在形態(特に樹木に取り込まれやすい「交換態」)およびその時空間変動を明らかにすることを目的とする。 事故以来6年間に渡って採取してきた土壌試料などに対する分析の結果、全137Csに占める交換態137Csの割合は、時間とともに減少傾向にあることが明らかになった。また落葉層における有機物の種類(葉や樹皮など)によって、137Csの保持能が異なることが示唆された。その一方で、一部の137Csが難分解性の有機物によって強く保持されている可能性も明らかになった。
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