樹皮は高い靭性を示すが、乾燥によってその物性が失われてしまう。このメカニズムを解明するため、水が樹皮中のどのような構造や成分に作用しているのかを解析した。一般に木材やセルロースを主原料とする材料は硬いが脆いという特徴を持っており、樹皮はこの常識を覆す材料である。樹皮は一般的な木材とは異なり、スベリンと呼ばれる成分が全体の約半分を占めている。そのため、このスベリンの存在が鍵となると予想されたが、スベリンの構造は疎水的であり、水が吸着しにくい。しかしながら解析の結果、僅かな水がスベリンの構造の一部に作用し、物性の変化に寄与していることが示唆された。
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