食料自給率政策は多くの国、特に食料輸入国が関心を示している。これまで自給率について長い間、議論がされてきたが、数量モデルを用いた研究は非常に少なかった。この研究では穀物の自給率が国内市場安定に寄与するかどうかを応用一般均衡モデルと計量経済モデル(時系列とパネルモデル)を用いて検証した。 その結果、穀物の輸入国は自給率が高いほど国際価格の変動の影響を受けにくいことが明らかとなった。また、国内の穀物間の代替消費も国際市場からの影響を緩和する事が分かった。更に、対象国の生産性変動が輸出国のそれよりも大きな場合、自給率政策により国内価格の変動性が大きくなることも明らかとなった。
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