研究課題
若手研究
本研究は、哺乳類の妊娠に必須である胎盤の形成機構を明らかにすることを目的としている。特に、その構成細胞である「トロホブラスト細胞」の詳細な融合機構と、ゲノムに隠れている内在性レトロウイルス因子(ERVs)に着目して研究を行った。その結果、胎盤形成を調節している因子を網羅的な大規模解析にて同定した。さらに一部の因子はERVsの発現も調節していた。本研究はウシの胎盤形成を調節しうる因子群を初めて同定した。
繁殖生物科学
本邦において様々な生産技術の開発や研究が行われているが、ウシの妊娠率は年々低下の一途をたどっており、その改善には至っていない。この原因の一つとして胎盤の形成不全が考えられる。本研究は、この胎盤の形成メカニズムを、内在性レトロウイルス因子(ERVs)に着目し明らかにしようと試みた。その結果、ERVsと胎盤形成を調節する因子を同定した。これは、胎盤形成不全による早期胚死滅の原因解明及び、その抑止につながり、学術領域だけでなく、畜産現場にも有益な効果を与えることが出来る。