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2020 年度 実施状況報告書

コンデンシンの制御機構が明かす転写複製と染色体構築の連携

研究課題

研究課題/領域番号 18K14629
研究機関公益財団法人がん研究会

研究代表者

高橋 元子  公益財団法人がん研究会, がん研究所 実験病理部, 研究員 (60793594)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードコンデンシン / 一本鎖DNA / 二本鎖DNA / 染色体凝縮 / 複製 / 転写
研究実績の概要

コンデンシンはクロマチン高次構造の主要な制御因子であるが、その機能・制御機構は未解明な点が多い。本研究では、コンデンシンのクロマチン局在化機構や機能制御の解明、さらには、転写・複製機構といったクロマチンダイナミクスとコンデンシンによる染色体構築との関連性を明らかにすることを目的とする。
2019年度までに、コンデンシン複合体の精製系を確立し、DNA基質との詳細な結合解析により、コンデンシンの一本鎖DNAへの高い結合能を見いだした。さらに、FRAP解析によりコンデンシンIIのダイナミックなクロマチン結合が、S期以降により安定的な成分が増えることから、複製とリンクしたコンデンシンの安定的クロマチン局在が示唆された。
そこで2020年度は、転写や複製機構とンデンシンの局在機能制御の関係性をさらに調べるため、以下の解析を行った。
1)転写阻害をした間期の核内において、コンデンシンIIのクロマチン結合動態をFRAP法にて解析した。同処理により安定的にクロマチンへ結合するコンデンシンIIが有意に増加することを見いだした。この結果は、転写阻害時に生じる一本鎖DNAの露出がコンデンシンのクロマチン結合を促している可能性や、転写装置の活動がコンデンシンのクロマチン結合を阻害する可能性を示唆する。
2)S期でコンデンシンIIを短時間にノックダウンし、M期でタンパク発現を回復させることで、複製とリンクしたコンデンシンのクロマチン結合が染色体構築に及ぼす影響について検討した。まず内在性コンデンシンIIをAID法によりノックダウンできる細胞株を樹立した。S期に同調した後、コンデンシンIIをノックダウンし、その後薬剤リリースすることで分裂期にコンデンシンIIを再び発現させて染色体を観察する系を現在樹立中である。次年度に解析を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、在宅勤務期間があったこと、物品納品時期に遅れが生じたことなどから、予定より実験が遅れた。

今後の研究の推進方策

本年度は、研究実績の概要で2)として記載したAID法を用いた細胞周期選択的なコンデンシンノックダウンにより、複製とリンクしたコンデンシンのクロマチン結合が染色体構築に及ぼす影響について解析を進める。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、本年度の物品納品時期に遅れが生じ、結果として次年度使用額が生じた。本年度に物品の納品がされ次第、繰越金額を精算する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Nuclear microenvironment in cancer: Control through liquid‐liquid phase separation2020

    • 著者名/発表者名
      Nozawa Ryu‐Suke、Yamamoto Tatsuro、Takahashi Motoko、Tachiwana Hiroaki、Maruyama Reo、Hirota Toru、Saitoh Noriko
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 111 ページ: 3155~3163

    • DOI

      10.1111/cas.14551

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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