シトクロム酸化酵素(CcO)は呼吸で取り込んだ酸素からエネルギーを生み出すタンパク質であり、生体エネルギー生産の中心を担っている。最近、本酵素の活性を制御することで過剰なエネルギー生産や活性酸素種の発生を抑制し肥満や糖尿病の予防につながることが示唆されており、CcOの反応機構解明は創薬などへの応用も期待されている。本研究では、CcOの大型結晶を用いて、CcOの反応中間体構造を複数決定することに成功した。さらに、高輝度極短パルスX線であるX線自由電子レーザー(XFEL)を用いて、CcOの微結晶から3.0 A分解能程度の構造データの収集と、金属中心の価数データを収集することにも成功した。
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