哺乳類の「性」はY染色体の有無という先天的ゲノム情報によって決まると理解されてきた。一方、後天的ゲノム情報であるエピゲノムの性決定への関与はよく分かっていなかった。私たちは近年、ヒストンメチル化制御酵素であるJmjd1aやGLP/G9aがエピゲノムの制御を介して性決定に寄与することを示してきた。しかし、性決定を司るエピゲノム制御系の全容は未だ明らかでない。本研究では、「エピゲノムによる哺乳類の性決定」という独自の知見の更なる発展を目指した。マウス遺伝学・分子生物学手法を駆使して、性決定遺伝子Sryを制御する新規酵素と、新たな性決定関連因子の探索を行った。
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