研究課題
若手研究
本研究は、キナーゼ特異的に進行する多重リン酸化サイトの相互依存性を系統的に解析する実験系を構築することを目的としている。技術的には、ASキナーゼを用いた新規ATPアナログの機能評価には至らず、課題が残った。一方、CaMKIIについては、新しい多重リン酸化サイトやその機能評価を行い、これまでよく理解されていた時間スケールよりも、より長い時間スケールで活性促進・抑制の双方に制御されている可能性を提示することができた。
生化学
質量分析を始めとした網羅的手法によって、特定の基質にリン酸化サイトが多数見出されている現状を鑑み、本研究では細胞内で特定の基質の多重リン酸化の相互依存性すなわち「経路」を明らかにする試みを通して、タンパク質内の複数のリン酸化サイトが織りなす経路選択問題(routing)を扱う視点を提示した。