活性酸素(Reactive Oxygen Species, ROS)の発生による酸化ストレスが、多岐に渡る生命現象や疾患とも密接に関わっていることに注目が集まっている。例えば、生活習慣に起因する動脈硬化や糖尿病等の疾患、加齢に伴う生体機能の低下や神経変性疾患、がん発生の原因(酸化修飾)とも密接に関与していることが知られており、その実像に迫る必要がある。特に、細胞内酸化還元状態のバランスとその制御に関して、酸化修飾とシグナル伝達という複合的な視点で、その具体的な影響をもとに両者の連関性をとらえる必要性がますます高まっており、本研究がその一助となる意義をもつ。
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