過去の報告で、発生期ニワトリ胚胸腹部にFGFを作用させると肢芽形成が強制的に誘導されるが、頸部ではそれが起こらないことが知られていた。本研究では、この現象の分子基盤について解析を行った。ニワトリ胚側板中胚葉の頸部、前肢部、胸腹部、後肢部それぞれを試料としてRNA-seq解析を行った結果、それぞれの領域で特異的に発現する遺伝子群を選出できた。この遺伝子群でエンリッチメント解析を行ったところ、頸部側板中胚葉のトランスクリプトームは、発生期心臓に一部類似することが示唆された。頸部側板中胚葉で特異的に発現する遺伝子の中から転写因子に着目し、より詳細な発現解析や機能解析を進めているところである。
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