研究課題
若手研究
電子スピン共鳴装置を用いて、植物にATPまたはADPを細胞外から添加することで、細胞壁の構築に関わるとされる活性酸素ヒドロキシルラジカルを生成すること、この生成には細胞外ATP受容体DORN1を介さないということがわかった。また、細胞外ATPのシグナリングの経路に関連するとされる根のエンドサイトーシスおよびエキソサイトーシスは、実験に使用される溶媒の一種のエタノールによって撹乱されることがわかった。
植物生理学
本研究結果から、細胞外ATPが根の伸長方向といった屈性を制御するメカニズムには、細胞外ATPによって植物の根から発生するヒドロキシルラジカルによる細胞壁の構築が関わるかもしれないこと、細胞外ATPだけでなく細胞外ADPも植物にヒドロキシルラジカルを生成すること、このヒドロキシルラジカルの生成には、植物の既知の細胞外ATP受容体を必要としないという新たな知見を得た。