本研究ではロイコクロリディウム属吸虫の色素解析を行った。褐色色素は水溶性であり、カロテノイドと類似する400-500 nmをピークとする吸収波長を示した。ピーク部分においては4種以上のタンパク質が確認された。一方、緑色色素は水にも有機溶媒にも不溶だが、ProK処理によりアセトンに溶解した。よって、いずれの色素もタンパク質に結合していた。現在アミノ酸配列の解析中だが、その際に使用する本種の遺伝子配列データベース作成のため、ゲノムおよびmRNAの解析を行った。今後はアミノ酸シーケンスデータとの照合意外にも、幼虫と成虫、あるいは幼虫の有色部と無色部の遺伝子発現量の違いなどを解析する予定である。
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