野生のウミネコ個体に対して、異なる採餌行動(主に採餌に費やす時間、離巣距離、総移動距離)によって、生理的な負荷にどれほど影響がでているのか調査した。緊急事態宣言による人的移動の制限で、ウミネコ同一個体からのサンプリングが途切れてしまったため、中期的な負荷を表す酸化ストレスと繁殖期の行動の関係を調べた。その結果、ウミネコの雌は一腹卵数が増える(すなわち自身の産卵数が増える)と採餌に出かける時間と距離が増加する傾向にあった。一方で、酸化ストレスの増加は見られなかった。これは、産卵による投資分を、海洋へ向かい抗酸化物質が豊富な天然餌を採餌することで、栄養とともに補っていることが示唆された。
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