本研究課題では、南極の固有種であり南極域でも最も過酷な陸上環境で広域に分布しているクマムシを対象として室内実験を実施し、環境ストレスに対する耐性とその回復状況を調べた。また環境ストレスに対する分子レベルでの応答を調べるために、トランスクリプトーム解析を実施し、環境ストレスに関連している可能性のある発現変動遺伝子を抽出することができた。さらに、実際の南極の生息環境であるコケ群落内の環境データを解析した結果から、昭和基地沿岸における環境ストレスの頻度や強度を明らかにすると共に室内実験で得られらデータと併せて総合的に解析し、南極クマムシの生存戦略としての耐性機構を明らかにした。
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