従来の脳生検術の問題点に関しては、我々の意見と同様の報告がされているが、それは医学が進歩した現代においても解決していない。従来の手術法では「点」でしか採取できなかった生検術を、ボーリングバイオプシーは「線」として脳腫瘍組織の採取を可能とするため、今後脳腫瘍治療の核となるテーラーメイド治療に直結するため、臨床的にも意義のある術式開発研究である。ボーリングバイオプシーは、低侵襲性と確実情報性という従来では相反する課題を一挙に解決する画期的な技術であり、従来の固定観念を打ち破り、革新的な脳生検術を確立した本研究成果は、低侵襲治療が推奨される現代の医療界においてインパクトあるものと確信する。
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