ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)主要代謝物であるサイクリックADPリボース(cADPR)は、オキシトシン放出、インスリン分泌や、炎症反応、さらには幹細胞の自己複製など、様々な生命現象との関わりが指摘されている重要なメッセンジャー分子である。本研究は、これまでのメタボローム研究において極微量であるために定量できていなかった細胞内cADPRに焦点を当て、LC/MSを用いたcADPRの高感度精密定量法の構築を行った。内部標準物質としてcADPRの安定同位体を合成し、cADPRの定量系を構築した。既報より1,000倍以上感度が上昇し、細胞内cADPRを定量するに十分な感度を達成した。
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