マオウ属植物は日本に自生がなく,中国からの輸入に依存している。しかし,供給は不安定な状態にあり,マオウ資源の確保が急務とされている。そのような状況下で,麻黄を国内生産するためには優良品種を早期に見出す必要がある。しかし,マオウの総アルカロイド含量が医薬品として利用可能になるまで少なくとも3年は必要であることから,DNAを用いた育種法が不可欠である。本研究では,原植物を簡易的に鑑別するプライマーの開発,含有成分と関連があるDNAマーカーの候補を明らかにした。今回得られた知見はデータを蓄積することにより,早期に優良品種の選抜を可能にし,日本独自のマオウ資源の創出に貢献するものと考えられる。
|