本研究では、キレート形成に起因する薬物相互作用に伴うアルミニウム (Al) 吸収亢進について、各種細胞を用いて評価した。まず、消化管吸収モデル細胞による評価において、Al 吸収に対する抗菌薬の影響は、同じメカニズムにより相互作用を起こすニューキノロン系 (NQs) とテトラサイクリン系で異なる可能性が示された。また、P 糖タンパク質 (P-gp) 過剰細胞による評価において、NQs のレボフロキサシンと Al のキレート体は P-gp 基質ではなく、脳血液関門において P-gp によるキレート体の排出は期待できないことが示唆された。
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