大動脈瘤は血管壁が異常に拡張し、破裂・死に至る疾患である。その発生機序の詳細は不明であり、内科的治療法が確立されていない。したがって、大動脈瘤発生の分子メカニズムを解明し、治療法の開発へと結びつけることが喫緊の課題である。本研究では、細胞-基質間の相互作用を仲介する細胞外マトリクスThrombospondin-1(Thbs1)がメカニカルストレスに応答する分子であり、Thbs1の抑制が大動脈瘤発症の抑止に効果的であることを見出した。また、伸展刺激により血管平滑筋細胞から分泌されるThbs1が、インテグリンを介して転写調節因子YAPの核内移行を制御する事を明らかにした。
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