研究課題
若手研究
ファブリー病は、酵素α-ガラクトシダーゼA(GLA)をコードする遺伝子に異常があることにより発症する遺伝病です。しかし、GLA遺伝子に異常があるにもかかわらずファブリー病にならない遺伝子変異があるため、病気になる遺伝子変異と何が違うのか蛋白質レベルで比べることで、その原因の解明を目指しました。その結果、病気にならない遺伝子変異によって作られるGLA蛋白質は病気になる遺伝子変異によって作られるGLA蛋白質に比べて、細胞の中で安定であることが明らかになりました。
生化学
ファブリー病の診断において、新しいGLA遺伝子変異が見つかった場合、それが病気を引き起こす遺伝子変異であるか否かの判断が難しいことがあり、臨床現場で問題となっています。今回の研究成果は、ファブリー病のメカニズムの一部を明らかにしたとともに、新しい遺伝子変異が見つかった場合に病気を引き起こす遺伝子変異であるか判断するための有益な参考情報になると考えられます。