近年、グリセロリン脂質は生体膜の主要構成成分としての役割だけでなく、様々な生命現象に関与していることが明らかになってきた。リゾホスファチジルコリンアシル転移酵素3(LPCAT3)は、リゾリン脂質アシル転移酵素の一つで、リモデリング経路においてリゾリン脂質にアラキドン酸を導入してリン脂質を合成する酵素である。本研究では、脂質代謝の中心的役割を担う肝臓に着目し、肝臓特異的LPCAT3欠損マウスを用いて、生理条件下における変化に加えて肝再生時におけるLPCAT3の役割を明らかにすることにより、『LPCAT3による生体恒常性維持機構』を解明した。
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