リンパ管異常は、リンパ奇形、カポジ型リンパ管腫症、カポジ型血管内皮腫を含む希少疾患群である。巨大病変や顎顔面の病変は外科的切除が困難であり、QOLを著しく低下させる。この疾患群は変異遺伝子や生物学的態度が異なるにもかかわらず、mTOR経路の阻害薬であるシロリムスが著効し、mTORとその下流の4EBP1、S6K1はリンパ管異常の病因に重要と考えられている。 本研究ではリンパ管異常におけるmTOR経路の発現パターンを初めて明らかとした。正常リンパ管と比較し、リンパ管異常ではp-4EBP1とp-mTORが高発現していた。mTOR経路の発現分析はリンパ管異常の予後予測につながる可能性が示唆された。
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