SSA/Pは比較的頻度の高い疾患であるが、従来はどのような症例を重点的に観察し予防的にポリープ摘除してゆくかについての方針を決定するために必要なデータが不足していた。本研究により、特にSSA/Pが多発する患者において、将来的に癌化する可能性のある症例を抽出するための効率的な方策が見いだされ、より多くの症例で検証するための礎を築くことができた。特に、miRNAの発現変化という視点から、癌化症例に特徴的な変化を捉えられた意義は大きく、これに関連するmRNA発現変化と併せて癌化する可能性のあるSSA/Pを効率的に選抜し得ることを示したことは、今後の大腸鋸歯状病変の診療において重要な意義をもつ。
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