Aeromonasは一般的に食中毒菌として知られているが,癌や肝疾患などの基礎疾患を有する患者において,予後不良の劇症型感染症を引き起こす.本菌は強い接着能(biofilm形性能)を有するが,主な感染病巣である腸管から,どのようにして感染拡大を起こすのかに着目し,腸管系の細胞株であるT84細胞を使用し菌と宿主の相互作用を主に解析した. その結果,宿主細胞のT84細胞からタンパク質性のbiofilm形成抑制因子が遊離され,本菌のbiofilm形成を抑制していることが明らかとなった.これらの結果は,遊離菌の割合の増加が本菌の感染拡大の引き金となっている可能性を示唆している.
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