本研究では、感染確率の低さからモデル動物として確立されていなかったHTLV-1感染霊長類モデルの検討をカニクイザルを用いて行い、新規HTLV-1感染細胞を感染源とすることで100%の確率で感染が成立することを見出した。さらに、長期的な解析により慢性感染を確認し、HTLV-1感染霊長類モデルとして確立することに成功した。この確立したサルモデルを基とし、病態進展を目的とした投与法や免疫制御の検討をプロウイルス量等を指標に解析を行ったところ、高プロウイルスを示す条件を見出し、今後、病態解明や医薬品開発に大きな貢献ができると期待された。
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